こんにちは、山勇牛一貫です。
皆様が普段口にしている和牛肉。
このお肉は一体どのようにして食卓に届いているのか、知っているようで知らない流通過程のはじまりから最後までを詳しく解説します。
目次
生産・流通過程
和牛肉は以下のような流通過程を辿り、皆様の食卓に届けられています。
生産・流通過程を大きく分けると、
- 種付け
- 誕生
- 仔牛セリ
- 肉牛セリ・と畜
- 肉屋
の5過程に分けられます。
また農家も繁殖・仔牛の飼育を専門とする「繁殖農家」と、肥育を専門とする「肥育農家」に分かれ、繁殖農家が種付け・妊娠を行い誕生させ8〜10ヶ月飼育した仔牛を、肥育農家がセリで仕入れ、およそ10〜20ヶ月をかけて肉牛となるまで肥育させるのが一般的です。
肥育された肉牛は食肉市場に出荷・と畜され、枝肉・部分肉となり肉屋などの小売業者に渡ります。
1.種付け・妊娠
種となる精子の種類は様々で、主に人工受精を行う事で繁殖牛に仔牛を産ませます。
種付けから出産までの期間はおよそ8〜10ヶ月と、人間とほぼ同じです。
2.誕生
誕生した仔牛が丈夫に育つよう、8〜10ヶ月をかけて体の基礎作りを行います。
牛は非常にデリケートな性格なので、牛が安心できる環境で、好き嫌いなく食べられる胃をつくることも重要です。
個体識別番号での管理
誕生し出生届けを出した時点で10桁の個体識別番号というのが付与され、その牛はどの場所で生まれ、どのような餌を食べ肥育されてきたのか、後々調べることができるトレーサビリティシステムがあり、農家はそれらをしっかりと管理する義務があります。
また牛が農家を移動する際もその番号を用いて報告する義務があります。
この個体識別番号は一般消費者も検索することが可能です。
→ 家畜改良センターWebサイト
3.仔牛セリ
繁殖農家で育てられた仔牛は市場に出て、肥育農家は血統・系統などの情報を元に、実物を見ながら状態の良い仔牛を購入し仕入れを行い、自社農場で肥育をさせます。
肥育とは?
肥育とは牛にあまり運動をさせずに餌を多く与え、牛を大きく太らせる事を言いますが、肥育の方法も大きく分けて2つあります。
- できるだけ短期間でたくさんの肉をつける
- 時間をかけゆっくりと育てることで、上質な肉を作り上げる
上記は農家がどのような肉を作りたいか?という事を考慮し選択しています。(当店が扱う飛騨牛「山勇牛」は後者)
肥育期間について
肥育期間は18〜20ヶ月が一般的で、初期、中期、後期と3つの段階を経て、それぞれの期間で育て方を変えるのが一般的です。
初期段階では内臓を育てる、骨格を作り上げる、筋肉を付けていくといった体の成長を助ける時期となり、牧草など、たんぱく質が少し低めの餌を与えていきます。
中期段階では筋肉の中に脂肪を溜める時期となり、大麦等の穀物を与えていきます。
後期段階では霜降り状に脂肪を付けるための時期となり、大麦を占める割合が多くなっていきます。
4.肉牛セリ・と畜
体重が600〜650キロまで肥育された牛は、食肉市場に出荷・と畜され牛肉として生まれ変わります。
5.肉屋
肉屋等の小売業者が仕入れて熟成をかけ、一般消費者に提供されたものを私たちが購入することで、食卓に届きます。
肉屋などでは個体識別番号を開示している事も多く、先に説明したトレーサビリティシステムを用いる事で、一般消費者でもその牛のルーツを調べることが出来ます。
まとめ
このように和牛肉の生産・流通過程は、生まれた場所と肥育される場所が異なっている事が多く、「繁殖農家」と「肥育農家」がそれぞれの役割で肉牛を生産・流通させています。
しかし私達が取り扱う飛騨牛「山勇牛」は、繁殖から肥育までを自社農場(山勇畜産)で行なっているのが最大の特徴です。
山勇牛の生産・流通過程
牛にストレスを与えずのびのびと育ってもらう
牛は非常にデリケートな生き物であるため、産まれてから肉牛となるまで環境を変えないことに拘ってきました。牛にストレスを感じさせず、ずっと同じ場所でのびのびと育ってもらう事が、良い肉質を作り上げる最良の方法であると考えているからです。