エイジングで旨味が凝縮!熟成肉とは?普通のお肉とどう違う?

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皆さんこんにちは、山勇牛一貫です。

熟成肉は今や多くの焼肉屋さんやステーキレストランでも提供する店が増え、より美味しいお肉を提供するために世界中で取り入られています。

特別な飛騨牛「山勇牛」を扱う当店も、この熟成を用いる事でお肉の旨味を最大限に引き出してお客様に提供しております。

今回はお肉を熟成させるとどのようなメリットがあるのか?エイジングの種類は?自宅でも作れるのか?というのをテーマに解説していきます。

目次

そもそもどのように肉を熟成させるのか?

肉は「発酵」させる事で肉自身に様々な変化が起こり、結果香りや旨味が凝縮されます。熟成の方法は主に下記の2種類が一般的です。

ウェットエイジング

当店でも行なっている熟成の方法がウェットエイジングです。

ウェットエイジングは、吸水紙を肉に当てた状態で真空パックにし、そのパックを-1〜-2℃の冷蔵庫で寝かせます。吸水紙は様子を見ながら取り替え(余分な水分(自由水)の出具合を確かめる)、当店の場合はその状態で30〜60日程寝かせています。

ドライエイジング

ドライエイジングは、骨付きの大きな部位のまま、1〜3℃の室温で湿度の高い状態で肉の廻りの空気が動く状態を作り、そのまま20〜60日寝かせます。

表面が乾いたりカビに覆われたりするので、ウェットエイジングと比べ食べられる部分がかなり減ります。そのため元々高価なお肉はさらに高価となりやすく、現在ではウェットエイジングを取り入れているお店の方が多いです。

熟成させると肉に何が起こるのか?

柔らかくなる

熟成させる事でお肉本来が持つ酵素の働きにより分解されて肉質が柔らかく変化します。
例えば肉に塩麹やヨーグルト等の発酵食品を漬け込んで柔らかくする調理法がありますが、熟成肉の場合は肉本来の酵素で柔らかくするという所がポイントです。

旨味成分が増える

肉のタンパク質が時間の経過とともに分解され旨味成分であるアミノ酸やペプチドに変化し味が良くなります。特にアミノ酸は旨味成分として有名で、その中に属するグルタミン酸はとても身近なものです。

例えばトマトにはグルタミン酸が含まれる野菜ですが、トマトは熟す程美味しくなります。これは熟していく過程で果肉が柔らかくなっていき、グルタミン酸が増えるためです。

また日本でよく重宝される和風出汁も昆布を使って出汁をとりますが、昆布にもグルタミン酸が多く含まれています。

このようにアミノ酸は旨味を感じる成分としては欠かせないもので、肉も熟成させる事でアミノ酸が増え美味しくなります。

硬めの部位は柔らかく味が濃くなり、また柔らかい部位も脂肪の質が変化しさっぱりと、それでいて旨味が詰まったものになります。

家庭で熟成肉は作れるのか?

このように熟成肉は魅力が一杯詰まっているため、「家でも作ってみたい!」と思われる方がいるかもしれません。

ドライエイジングは骨付きの状態で室温を保ちながら風を当て続けたり空気を回し続ける必要があり、現実的ではないでしょう。

そうなるとウェットエイジングで挑戦してみたい所ですが、肉を真空にする機械や-1〜-2 ℃の温度を保ち続ける冷蔵庫が必要となりますので、そのような設備が無い場合は難しいでしょう。

また仮に設備があったとしても、熟成は失敗してしまう場合があり、乳酸菌が増えてチーズっぽく酸味が強くなってしまうため、誰でも簡単に熟成肉が作れるか?と言われると、そうではないと考えています。

豚肉や鶏肉も熟成は可能なのか?

熟成肉というと牛肉が一般的ですが、豚肉や鶏肉も適切な熟成を行う事で、牛肉と同じように旨味成分が増し味が良くなります。

まとめ

熟成肉と聞くと何となく普通のお肉より美味しそうというイメージがありますが、実際に肉を熟成させる事で科学的に変化がおき、旨味が増します。また牛肉だけでなく豚肉や鶏肉も熟成させる事が可能です。ただし家庭で作るには少々ハードルが高いので、お店や通販等を利用して、熟成肉を楽しみましょう。

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